年金を利用してお金を借りる方法としては、民間の消費者金融や銀行か公的な機関の2つの選択肢になります。民間の消費者金融や銀行では収入があれば審査に通る場合があり、それが年金であっても問題ありません。

ただし受給開始年齢に達しているということは高齢であり審査に通るのは難しいものです。

現在の受給開始年齢は65歳からですが、ほとんど銀行のカードローンの場合には上限年齢が65歳までとなっており、そのようなローン商品は利用できません。

一方で消費者金融や一部の銀行カードローンでは70歳を上限年齢としており、借りることができるのは69歳までと設定されているところもあり、そのような場合には受給していても収入とみなされ利用できるケースがあります。

ただ将来の収入をあてにしてお金を借りるわけですから、支給額によって借りられる金額も制限されます。

もちろん金利も支払わなければならず消費者金融であれば実質年率18%程度は必要になります。

このように若い頃と同じような感覚で年金を収入のあてとしてお金を借りるのにはややリスクが高い方法といえます。

高齢になるとあらゆる面で制限されてきますが、お金は必要です。

このためやむなく収入が乏しくてもお金を借りなければならない状態になることもあり、その結果闇金融から借りるといったことも昔には多くありました。

しかし、悪質な闇金融に捕まると返済そのものが不可能になり自殺するといった事件も多くあり、それらを改善するために公的な機関がお金を融資してくれる制度があり、年金受給者が現実的にお金を借りるのであれば公的機関を利用するのが無難です。

この事業を行っているのは独立行政法人福祉医療機構が行っているもので年金担保貸付事業というものです。

借りることができるのは受給者が対象で消費者金融のキャッシングなどとは違って用途は制限されます。

また利用できない人としてはすでに制度を利用している人、生活保護を受けている人、支給停止になっている人などです。つまり連続して複数の借り入れをすることはできない制度です。

完全な福祉事業というわけではなく借りたお金には利子が付きますが、2%から9%と極めて低金利に抑えられています。限度額は10万円から200万円となっていますが用途が生活必需品の購入では上限は80万円までです。

また受給している年額の8割まで、1回あたりの返済額の15倍まで、1回あたりの返済額は受給額の3分の1までです。

このため年150万円の受給であれば上限は120万円。月額の支給額は12万5千円で返済額上限は3分の1の4万1666円です。

毎月2万円を返済に充てた場合には借りられる金額は30万円になります。

また資金用途は保健・医療、介護・福祉、住宅改修等、教育、冠婚葬祭、事業維持、債務などの一括整理、生活必需品の購入などで申請時には見積書などを提出する必要があります。

ただ利用できる範囲はかなり幅広く病気などでお金が必要になった場合や利用中のキャッシングやカードローンの返済負担を軽減するといったことに使うことができます。

この制度では連帯保証人が必要になりますが、連帯保証人が用意できなかった場合には信用保証機関の信用保証制度を有料で利用することもできます。

ただ保証制度の保証金を支払うとせっかくの低金利のメリットが失われる可能性があります。

このため債務を整理するために利用するのであれば保証制度を利用した場合の総額を計算して負担が少ない方を選ぶ方が得策です。

返済額に関しては消費者金融などで使われているような残高スライドリボルビング方式ではなく申告した金額になります。

そもそも目的があって借り入れるのでキャッシングのようないつでもお金を借りることができるといった利便性はありません。

また15倍というルールは返済期間は利息がプラスされるので16ヶ月となります。

一方で制度としては高齢者が違法な業者からの借り入れを防止することや生活の再建や必要最低限の文化的生活を維持するために行われているのでルールさえ守れば誰でも利用が可能です。

申し込み窓口は受取口座のある銀行や信用金庫の店舗で行えます。

ただしゆうちょ銀行や農協、労働銀行の窓口では対応していませんから、制度を利用したい場合には受取口座を変更する必要があります。

申込時の書類としては借入申請書、年金証書、支給額を証明する書類、実印および印鑑証明、本人が確認できる写真付きの証明書、また資金用との確認書類などです。審査期間は4週間ほどで掛かります。

なお、この制度の注意点としては追加の利用ができないということです。

このためこの制度でお金を借りる場合には本当に困った場合のここ一番という時だけにしておくのが無難です。ただ返済が完了すれば、また新たに利用申し込みができます。

ただし何らかの理由でお金に余裕が出来て繰り上げ返済をしても最初に定めた完済予定日まで新たに利用をすることができないことにも留意しておく必要があります。